-
加古川,姫路,社会保険労務士,山本社会保険労務士事務所もう12月です。師走です。1年があっという間です。若い時ほど時間の経過を長く感じ、歳をとるに従って短く感じる現象を、心理学的に〈ジャネーの法則〉というのだそうです。「生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する(年齢に反比例する)」一般的に、若い時は新鮮な経験や刺激が多く、大人になると刺激などに慣れてくるから。とも言われます。可能な限り新鮮な情報をお伝えできるよう今後とも精進してまいります。今回は「退職勧奨」についてです。
退職勧奨について
退職勧奨とは、「使用者が労働者に対し、任意退職に応じるよう促し、説得等を行うこと」をいいます。つまり、「辞めてほしい」「辞めてくれないか」などと言って、退職を勧めることです。退職勧奨をする理由としては→ 経営難などの経営上の理由→ 労働者の能力不足→ 勤務態度不良→ 周りの従業員とのトラブルを起こした(セクハラやパワハラなど)→ 信用失墜行為があった(機密情報の持ち出し、不正打刻など)などが挙げられます。退職勧奨はお互い合意すれば労働関係が終了するため解雇よりリスクが少ないと言えます。
退職勧奨を行うこと自体は、労働者にそれに応じるか否かの自由がある限りは何の問題もありません。しかし、その手段や経緯によってはトラブルや違法な退職勧奨になり注意が必要です。退職勧奨の適法性についての代表的な裁判での判旨に「労働者の退職についての自由な意思決定を困難にするものであったと認められる場合には違法性を有する」と言っています。
「日本アイ・ビー・エム事件・東京地判平23・12・28」違法な退職勧奨のリスクや典型例、そして気を付けるべき点を確認していきます。
■違法な退職勧奨のリスク退職勧奨を行った手段や経緯によっては→ 不法行為として損害賠償請求→ 退職合意が無効になり、復職させることを命じられる→ 復職までの賃金を請求される→ パワーハラスメントなどのハラスメント行為に該当するといったようなリスクがあります。
■違法な退職勧奨となる典型例→ 執拗に行う(長時間・多数回・長期間)労働者が一旦応じない意向後も説得することは違法ではありません。ただし、1回の説得が長時間になったり、何度も何度も行ったり、長期間で行われると違法性を判断する要素になります。「下関商業高校事件・最判昭55.7.10」→ 大声を上げる。怒鳴る。机をたたくなどの脅迫や強要とも取れる行為パワハラ、不法行為となり、損害賠償請求されるリスクがあります。「全日本空輸事件、大阪地判平成11.10.18」→ 懲戒解雇などの処分を引き合いに出し、自主退職を促す信用失墜行為や就業規則に違反した懲戒対象の従業員に、本来より重たい懲戒解雇などを引き合いに出して(勘違い含む)、自主退職を促します。退職金などの関係で懲戒解雇になるくらいなら自主退職を選んで退職したとしても、後から懲戒解雇を疑い、退職無効を訴えられるケースがあります。「富士ゼロックス事件・東京地判平26・3・14」→ 仕事を与えないなどをして退職に応じさせるパワハラに該当し、慰謝料の請求などが起こり得ます。「明治機械事件・令2・9・28 東京地裁判決」
■退職勧奨をする際に気を付けるべき点上記の違法な退職勧奨になる典型例や判例を踏まえ、実際に退職勧奨をする際に気を付けるべき点としては、就業規則の規定を確認する、規定を見直す。配置転換や仕事を取り上げることをしない。長時間や多数回、長期間にわたる退職勧奨を行わないなど、自由な意思決定ができる状態がとても大切です。何よりも実情やその経緯が大切なため、事前に弊所へご相談いただければと思います。 -
加古川,姫路,社会保険労務士,山本社会保険労務士事務所11月に入りました。11月は異称で「霜月」ですが、霜が降りる月、霜降月が語源というのが有力だそうです。他にも <神が帰ってくる月>で「神帰月(かみきづき)」という異称もあるそうです。今回、次回と退職や解雇について、特に「有期労働契約についての雇止め」と「退職勧奨」について記載してまいります。
有期労働契約の雇止めについて
有期労働契約とは、期間を定めて締結された労働契約のことをいいます。例えば、6か月契約、1年契約などです。一定期間の決まった建設工事など、はっきりした期間の有期契約などを除き、契約期間中の退職や、更新など労使間でトラブルになる可能性があります。そのため有期労働契約の「締結」「更新」「雇止め」に関する基準を押さえておくことが大切です。
■締結
有期労働契約を締結する場合の1回の契約期間の長さは、原則3年が上限です。(労働基準法第14条)また、更新上限の有無(更新回数の上限または通算契約期間)が労働条件の明示事項として必要になっています。さらに労働基準法で規定している雇い入れ時の労働条件の明示事項に加えて、「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」「相談窓口」の4つの事項を文書などにより交付する必要があります。更新時も同様です。契約の更新をする場合は締結時と同様に労働条件の明示が必要です。また更新回数や通算契約期間の上限を新たに設ける場合は、新たに設ける、または短縮する理由を更新前に説明しなければなりません。また、有期労働契約を反復更新する場合として、同一の使用者との間で、更新等により通算契約期間が5年を超えた場合は、労働者の申し込みにより、無期労働契約へ転換できます。(労働契約法第18条)
厚生労働省 パンフレット「パートタイム・有期雇用労働法のあらまし」より抜粋・転載
(https://www.mhlw.go.jp/content/001567635.pdf)
■雇止め
有期労働契約については、やむを得ない事由がなければ、契約期間が満了するまで、労働契約を解除することができません。これは使用者も原則労働者もです。(労働契約法第17条)また、有期労働契約は契約期間の満了によって終了するものですが、一定の場合には雇止めを認めず、契約が更新されたものとみなすことがあります。(労働契約法19条)内容としては① 有期労働契約が反復更新されたことで無期契約と実質的に変わらない状態と判断される場合東芝柳町工場事件(昭和49年最高裁第一小法廷判決)② 有期労働契約の期間満了後も雇用関係が継続されるものと期待することに合理性が認められる場合日立メディコ事件 (昭和61年12月4日最高裁第一小法廷判決)には、解雇に関する法理を類推すべきとなります。(労働契約法第16条)そうなると、更新しないことが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、雇止めは権利濫用として無効となり、その相当性の証明も事業所が立証することとなりますので注意が必要です。今回は有期労働契約についてのトラブルになる可能性を踏まえて、「締結」「更新」「雇止め」に関するポイントを確認しました。 -
加古川,姫路,社会保険労務士,山本社会保険労務士事務所健康保険では、一定の家族は「被扶養者」として、病気やケガ、出産の際に保険給付を受けられることになっています。この被扶養者として扶養認定を受けるためには、定められた要件を満たす必要があり、その一つが、扶養になる家族の年間収入です。特定の条件を除いて現在は「年間収入130万円未満」となっています(一般にいう130万円の壁)。今回、扶養認定日が2025年10月1日以降で、扶養認定を受ける方が19歳以上23歳未満の場合(被保険者の配偶者を除く)は「年間収入150万円未満」に変わります。年齢要件(19歳以上23歳未満)は、扶養認定日が属する年の12月31日時点の年齢で判定します。例えば、扶養認定を受ける方が2025年11月に19歳の誕生日を迎える場合には、2025年(1月1日~12月31日の暦年)における年間収入要件は150万円未満となります。
-
加古川,姫路,社会保険労務士,山本社会保険労務士事務所年は全国各地で大幅な最低賃金の引き上げが話題になっています。記載時点の9月では全都道府県の令和7年度地域別最低賃金の改定額の答申が出そろったところです。答申された改定額は、都道府県労働局での関係労使からの異議申出に関する手続を経た上で、都道府県労働局長の決定により、令和7年10月1日から令和8年3月31日までの間に順次発効される予定です。
厚生労働省ホームページより抜粋・転載
兵庫県では64円アップの1,116円で2025年10月4日改定予定岡山県では65円アップの1,047円で2025年12月1日改定予定となっており、発行予定日が都道府県により差があります。給与等への反映に注意が必要です。
