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日々業務の中で、個人情報を適正に取り扱うため、社内ルールの作成などの対応をされているかと思います。個人情報保護委員会では、5/27~6/2までを「個人情報を考える週間」として、各種情報発信などが行われ、WEBサイトの中で、事業主に対して以下のような安全管理措置の再確認が求められています。(個人情報保護委員会HPより転載)【技術的安全管理措置】個人情報取扱事業者は、情報システム(パソコン等の機器を含む。)を使用して個人データを取り扱う場合(インターネット等を通じて外部と送受信等する場合を含む。)、技術的安全管理措置として、次に掲げる措置を講じなければならない。
(1) アクセス制御・個人データを取り扱うことのできる機器及び当該機器を取り扱う従業者を明確化し、個人データへの不要なアクセスを防止する。(2) アクセス者の識別と認証・機器に標準装備されているユーザー制御機能(ユーザーアカウント制御)により、個人情報データベース等を取り扱う情報システムを使用する従業者を識別・認証する。(3) 外部からの不正アクセス等の防止・個人データを取り扱う機器等のオペレーティングシステムを最新の状態に保持する。・個人データを取り扱う機器等にセキュリティ対策ソフトウェア等を導入し、自動更新機能等の活用により、これを最新状態とする。(4) 情報システムの使用に伴う漏えい等の防止・メール等により個人データの含まれるファイルを送信する場合に、当該ファイルへのパスワードを設定する。【物理的安全管理措置】個人情報取扱事業者は、物理的安全管理措置として、次に掲げる措置を講じなければならない。(1) 個人データを取り扱う区域の管理・個人データを取り扱うことのできる従業者及び本人以外が容易に個人データを閲覧等できないような措置を講ずる。(2) 機器及び電子媒体等の盗難等の防止・個人データを取り扱う機器、個人データが記録された電子媒体又は個人データが記載された書類等を、施錠できるキャビネット・書庫等に保管する。・個人データを取り扱う情報システムが機器のみで運用されている場合は、当該機器をセキュリティワイヤー等により固定する。(3) 電子媒体等を持ち運ぶ場合の漏えい等の防止・個人データが記録された電子媒体又は個人データが記載された書類等を持ち運ぶ場合、パスワードの設定、封筒に封入し鞄に入れて搬送する等、紛失・盗難等を防ぐための安全な方策を講ずる。(4) 個人データの削除及び機器、電子媒体等の廃棄・個人データを削除し、又は、個人データが記録された機器、電子媒体等を廃棄したことを、責任ある立場の者が確認する。ホームページには、上記内容に関するリーフレットなどの案内も掲載されていますので、対策が不十分と思われる場合には、この機会に対策を再確認してみてはいかがでしょうか。個人情報保護委員会HP「個人情報を考える週間」https://www.ppc.go.jp/news/privacy_awareness_week/ -
改正雇用保険法案が、2024年5月10日に参議院において可決・成立し、来年4月以降、順次施行されることになりました。改正法のポイントについては以下のようになっています。【雇用保険の適用拡大】〇 雇用保険の被保険者要件のうち、1週間の所定労働時間を現在の「20時間以上」から「10時間以上」に変更し、適用対象を拡大する。(令和10年10月1日施行)【教育訓練やリ・スキリング支援の充実】① 自己都合退職の、雇用保険の基本手当受給までの給付制限期間を2か月から1か月に短縮する。自己都合で退職した者が、雇用の安定・就職の促進に必要な職業に関する教育訓練等を自ら受けた場合には、給付制限をせず、雇用保険の基本手当を受給できるようにする。(令和7年4月1日施行)② 教育訓練給付金について、訓練効果を高めるためのインセンティブ強化のため、雇用保険から支給される給付率を受講費用の最大 70%から80%に引き上げる。教育訓練受講による賃金増加や資格取得等を要件とした追加給付(10%)を新たに創設する。(令和6年10月1日施行)③ 自発的な能力開発のため、被保険者が在職中に教育訓練のための休暇を取得した場合に、その期間中の生活を支えるため、基本手当に相当する新たな給付金を創設する。(令和7年10月1日施行)【育児休業給付に係る安定的な財源の確保】① 育児休業給付の国庫負担引下げの暫定措置を廃止する。 (本来は給付費の1/8だが、暫定措置で1/80とされている。)(※公布日施行)② 育児休業給付の保険料率を引き上げつつ(0.4%→0.5%) 、保険財政の状況に応じて引き下げられるようにする。(0.5%→0.4%) ①・②により、当面の保険料率は現行の0.4%に据え置きつつ、今後の保険財政の悪化に備えて、実際の料率は保険財政の状況に応じて弾力的に調整。(※公布日施行)【その他雇用保険制度の見直し】〇 教育訓練支援給付金の給付率の引下げ(基本手当の80%→60%)及びその暫定措置の令和8年度末までの継続、介護休業給付に係る国庫負担引下げ等の暫定措置の令和8年度末までの継続、就業促進手当の所要の見直し等を実施する。(令和7年4月1日施行)※公布日は法律成立後、参議院議長から内閣を経由して奏上された日から30日以内(厚生労働省「雇用保険法等の一部を改正する法律案の概要」より転載)https://www.mhlw.go.jp/content/001207213.pdf
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マイナンバーカードを健康保険証として利用登録することで、マイナンバーカード(マイナ保険証)を使って医療機関を受診できます。今年12月2日には従来の健康保険証が原則廃止され、マイナ保険証に一本化されます。厚生労働省の調査では、・マイナンバーカードの保有者(令和6年1月末時点)9,168万人(全人口の73.1%)・マイナ保険証の登録者(令和6年1月28日時点)7,143万人(マイナンバーカード保有者の77.9%)と、かなり普及が進んでいますが、・マイナンバーカードの携行者(令和5年11月~12月)人口全体の4割、カード保有者の5割マイナ保険証の利用実績(令和6年2月)
838万件(利用率4.99%)と、まだ一般的とは言えない状況です。ただ、12月2日のマイナ保険証一本化に向け利用率向上のための政策が実施されることが予想されます。今回はマイナ保険証のメリットや、現在予想される注意点について、以下説明いたします。【マイナ保険証のメリット】
(厚生労働省ホームページより転載)
・特定健診や診療の情報を医師と共有でき、重複検査のリスクが少なくなる※本人が同意した場合のみ・薬の情報を医師・薬剤師と共有でき、重複投薬や禁忌薬剤投与のリスクが減少する※本人が同意した場合のみ・旅行先や災害時でも、薬の情報が連携される・マイナポータルで医療費通知情報を入手できるので、領収証を保管・提出することなく、医療費控除の確定申告が簡単にできる・医療費が高額な場合の「限度額適用認定証」が省略でき、一時的に自己負担したり、役所で書類申請手続きをする必要がなくなる・就職や転職後の保険証の切り替え・更新が不要(新しい保険者によるマイナンバーの資格登録要)・高齢者受給資格者証の持参の必要がなくなる・災害時には特別措置として、マイナンバーカードを持参しなくても、本人の同意の下、薬剤情報・診療情報・特定健診情報の閲覧が可能(災害時モード)となり、適切な医療が受けられる災害時の例)・薬を家に置いてきたが、名前が思い出せない・家から持ってきた薬を飲み切ってしまった・かかりつけ医以外のところで受診することになった、等【令和6年度能登半島地震における災害時モードの情報閲覧件数】 -
1.2024年4月1日より、雇用契約書(労働条件通知書)の必須記載事項が追加になります。① 全ての労働契約の締結と有期労働契約の更新のタイミングごとに、「雇い入れ直後」の就業場所・業務の内容に加え、これらの「変更の範囲」 について も明示が必要になります。② 有期労働契約の締結と契約更新のタイミングごとに、更新上限(有期労働契約の通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容の明示が必要になります。③ 「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごとに、無期転換を申し込むことができる旨(無期転換申込機会)の明示、無期転換後の労働条件の明示が必要になります。2.令和6年度の協会けんぽの健康保険料率及び介護保険料率は、本年3月分(4月納付分)からの適用となります。(もし3月中に賞与支給がある場合は、その賞与支給にかかる健康保険料率、介護保険料率は新しい保険料率となるでご注意ください)3.3月に決算賞与などを支給する場合は、健康保険厚生年金保険賞与支払届の提出をお忘れなく。
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評価制度とは、企業が掲げる指針に対して各従業員がどのくらい貢献しているかを評価する制度です。一般的な人事評価制度では、評価の度合いは等級や報酬を大きく左右する要素となります。もしも評価制度がなければ、成果を残しても評価があがらないので、従業員のモチベーション維持が困難になってしまうでしょう。以下に代表的な評価制度を紹介します。【目標管理制度(MBO)】部門や個人が自ら定めた目標に対して、どのくらい達成できたのかを評価対象とする方法を「目標管理制度(MBO)」といいます。従業員が「企業の一員である」という認識を高めるためにも、設定する目標は企業の目標に関連する内容であることが必要です。また、従業員が自主性をもって目標達成に取り組むために、ここで決める目標は従業員が自ら設定しなければなりません。【コンピテンシー評価】「コンピテンシー」とは、特定の業務において、優秀な成績を収める人材に共通して見られる行動特性や思考パターンなどを指します。「コンピテンシー評価」は、優秀な人材をモデルにして、その人物と同じような行動をしているかを評価軸に取り入れる方法です。評価対象者が特定の行動をしているかどうかが評価のポイントとなるので、評価者によって評価結果に大きな差が出にくいというメリットがあります。【ありがとうポイント】「ありがとうポイント」とは、従業員が他の従業員に対して感謝の気持ちを抱いたら、それを形として提示したり渡したりします。その感謝の気持ちを数値化し渡すことで、受け取った側はポイントとして貯めることができるような仕組みです。具体的な実績や成果のみで人事評価が決定していた企業において、ありがとうのポイント化により実は組織に貢献している人や行動が可視化されるメリットもあります。従業員のやる気へとつながり、それぞれの従業員が自分の役割を認識できるようになるため、チームや組織を強く意識し、さらに団結力やチームワークを高めることへと繋がります。弊所でも人事評価制度導入のお手伝いをしております。遠慮なくご連絡ください。