-
社会保険の加入対象の拡大①
現在、社会保険の適用事業所に勤務する従業員で正社員や役員だけでなく、アルバイト、パートタイマーであっても、1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が同じ事業所で同様の業務に従事している正社員の4分の3以上である人は、被保険者になります。また、週所定労働時間等が正社員の4分の3未満であっても、51人以上の適用事業所に勤務し、以下の要件を満たす人は、短時間労働者として被保険者になります。①週の所定労働時間が20時間以上あること②所定内賃金が月額8.8万円以上であること③学生でないこと今回の年金制度改正法案では、このうち②所定内賃金が月額8.8万円以上であることを3年以内に撤廃し、51人以上の適用事業所という企業規模要件を10年かけて段階的に対象を拡大していきます。最終的には、すべての適用事業所が短時間労働者として社会保険に加入する内容になっています。
社会保険の加入対象の拡大②
現在、社会保険の強制加入対象事業所として、法人や個人事業で常時5人以上の法律で定める業種に該当するところが対象です。今回の改正では、個人事業で常時5人以上の法律で定める業種に該当しなかった事業所(農業、林業、漁業、飲食サービスなど)が強制加入の事業所として拡大されます。いままでは非該当の業種は常時5人以上でも任意でしたが、この改正により個人事業でも常時5人以上の事業所は業種に関わらず社会保険の強制適用事業所になります。2029年10月からですが、2029年10月時点で既に存在している事業所は任意のままとなります。
1005
加古川・姫路の社会保険労務士は山本社会保険労務士事務
-
2025年5月8日、衆議院本会議にて、改正労働安全衛生法及び作業環境測定法が可決、成立しました。
■改正の趣旨多様な人材が安全に、かつ安心して働き続けられる職場環境の整備を推進するため、個人事業者等に対する安全衛生対策の推進、職場の メンタルヘルス対策の推進、化学物質による健康障害防止対策等の推進、機械等による労働災害の防止の促進等、高年齢労働者の労働災害 防止の推進等の措置を講ずる。
■改正の概要1.個人事業者等に対する安全衛生対策の推進既存の労働災害防止対策に個人事業者等も取り込み、労働者のみならず個人事業者等による災害の防止を図るため、① 注文者等が講ずべき措置(個人事業者等を含む作業従事者の混在作業による災害防止対策の強化など)を定め、併せてILO第155号条 約(職業上の安全及び健康並びに作業環境に関する条約)の履行に必要な整備を行う。② 個人事業者等自身が講ずべき措置(安全衛生教育の受講等)や業務上災害の報告制度等を定める。2.職場のメンタルヘルス対策の推進ストレスチェックについて、現在当分の間努力義務となっている労働者数50人未満の事業場についても実施を義務とする。 その際、50人未満の事業場の負担等に配慮し、施行までの十分な準備期間を確保する。3.化学物質による健康障害防止対策等の推進① 化学物質の譲渡等実施者による危険性・有害性情報の通知義務違反に罰則を設ける。② 化学物質の成分名が営業秘密である場合に、一定の有害性の低い物質に限り、代替化学名等の通知を認める。 なお、代替を認める対象は成分名に限ることとし、人体に及ぼす作用や応急の措置等は対象としない。③ 個人ばく露測定について、作業環境測定の一つとして位置付け、作業環境測定士等による適切な実施の担保を図る。4.機械等による労働災害の防止の促進等① ボイラー、クレーン等に係る製造許可の一部(設計審査)や製造時等検査について、民間の登録機関が実施できる範囲を拡大する。 ② 登録機関や検査業者の適正な業務実施のため、不正への対処や欠格要件を強化し、検査基準への遵守義務を課す。5.高齢者の労働災害防止の推進高年齢労働者の労働災害防止に必要な措置の実施を事業者の努力義務とし、国が当該措置に関する指針を公表することとする。 等
■施行期日令和8年4月1日(ただし、1①の一部は公布日R7/5/14、4②は令和8年1月1日、3③は令和8年10月1日、1②の一部は令和9年1月1日、 1①及び②の一部は令和9年4月1日、 2は公布R7/5/14後3年以内に政令で定める日、 3①は公布後5年以内に政令で定める日) -
労働安全衛生法および省令では、会社に対し、高温などによる健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならないこととしており、塩や飲料水を備えること等の労働者の熱中症対策を行うことを義務付けています。このような対策を打ちながらも、近年熱中症による死亡災害があり、その原因の多くには「初期症状の放置、対応の遅れ」が見られるそうですが、このたび、労働安全衛生規則が改正され、熱中症による健康障害の疑いがある者の早期発見や重篤化を防ぐために必要な対応を取ることが会社に義務付けられました。労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)の一部改正令和7年6月1日施行
改正の概要1 熱中症による健康障害を生ずるおそれのある作業(※)を行う際、① 作業に従事する者が熱中症の自覚症状がある場合② 作業に従事する者が熱中症による健康障害を生じた疑いがあることを見つけた場合その旨を報告させる体制を整備し、関係者に周知しなければならない。
2 熱中症による健康障害を生ずるおそれのある作業を行う際、① 作業からの離脱② 身体の冷却③ 必要に応じて医師の診察又は処置をうけさせること④ その他熱中症の症状の悪化を防止するための必要な措置の内容及びその実施に関する手順 などあらかじめ定め、関係者へ周知しなければならない。
※ 熱中症による健康障害を生ずるおそれのある作業暑さ指数WBGT 28度又は気温31度以上の作業場において行われる作業で、継続して1時間以上又は1日当たり -
雇用保険率は、雇用保険の財政状況により毎会計年度、見直しが行われています。令和7年4月1日より以下の様に公表されました。令和6年度より引き下げとなります。
厚生労働省「令和7(2025)年度 雇用保険料率のご案内」より抜粋・転載
1005
加古川・姫路の社会保険労務士は山本社会保険労務士事務 -
・特別加入制度とは労災保険は、労働者が仕事または通勤によって被った災害に対して補償する制度です。労働者以外でも、一定の要件を満たす場合に任意加入でき、補償を受けることができます。これを「特別加入制度」といいます。この労災保険の特別加入の対象が、2024年11月から拡大となり、特定受託業務に従事する人(特定フリーランス事業)も加入対象となります。・特別加入の対象となる事業①フリーランスが企業等から業務委託を受けて行う事業②①と同種の事業について、フリーランスが消費者から委託を受けて行う事業消費者のみから委託を受ける場合や、企業等からの業務委託を受けているものの、その業務とは異なる事業について、消費者から委託を受ける場合は、対象となりません。厚生労働省リーフレット「フリーランスの皆さまへ」より転載厚生労働省ホームページ 労災補償https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/kanyu_r3.4.1_00010.html加入を検討されるフリーランスの方、フリーランスに業務委託していてその補償が気になる方等、弊所までご連絡ください。1005加古川・姫路の社会保険労務士は山本社会保険労務士事務