厚生労働省より、ガイドラインが示されており、労働時間の適正な把握は義務となっています。それは、残業や休日、深夜労働時間の割増賃金の計算のためだけでなく、適正に管理しておかないと会社にとって法違反によるリスクとなってくることでしょう。内容をご確認ください。
①副業・兼業の促進
政府が発表した経済財政運営と改革の基本方針2019(骨太方針)には、副業・兼業の促進が明記され、労働時間の把握、通算に関する現行制度についても見直しの方針が示されています。現状は、兼業先の労働時間と通算することとなっており、残業時間の管理のためにも、労働時間は適正に管理する必要があります。
副業、兼業者はまだまだ少ないですが、今後増えてくると予想されます。
②労働安全衛生法の改正
法改正により、長時間労働者に対する面接指導の実施のため、労働時間の状況を把握することが求められています。
今回の改正により、過労死等の防止のため管理監督者(残業代の支払い対象外)についても労働時間の状況を把握する対象となりました。
③時間外労働・休日労働の協定届
従業員に、1時間でも時間外労働や法定休日労働をさせる場合、時間外労働協定届(36協定)を締結し、労働基準監督署に届出なければなりません。
現在36協定で締結できる時間外労働には上限の時間が決められています。この上限時間は、1ヶ月45時間、1年で360時間(1年単位の変形労働時間制の場合1ヶ月42時間、1年320時間)と定められており、違反すれば罰則があります。残業時間を含む労働時間を適正に把握していなくては上限を守ることは難しくなります。
④賃金請求権の消滅時効
民法改正に伴う賃金請求権の消滅時効の在り方に関する検討会が示した報告書案には、現行の2年のまま維持する合理性が乏しいとして、拡充する方向で見直しすることとなりました。5年に拡充される可能性が高くなっています。
残業代等の未払い賃金があれば、現行でも過去2年間について、改正されれば5年間遡って請求される可能性があります。その請求額はかなりの額になるのではないでしょうか。
労働時間の適正な管理は、未払い賃金をなくすためにも必要となります。
労働時間管理の実態について、この機会にあらためて確認してみてはいかがでしょうか。
次回は労働時間の把握の仕方について解説します!
1005
加古川・姫路の社会保険労務士は山本社会保険労務士事務所
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