従業員が入社する際の書類について
令和5年度が始まり、新入社員を迎えられる事業所も多いと思います。今回は改めて入社時の必要書類などについて記載いたします。
◆従業員に用意していただくものの1例
・マイナンバー
社会保険や労働保険などの各種保険や税金の手続きに必要となります。扶養家族がいる場合は、本人以外に扶養家族のマイナンバーも必要です。マイナンバーは特定個人情報にあたるため、情報管理には注意が必要で、万が一漏洩した場合には罰則が課されます。
・履歴書
住所、氏名(漢字・フリガナ)、生年月日、扶養者の有無、職歴の確認などに利用します。
・健康診断書
労働安全衛生規則第43条により、常時使用する労働者を雇い入れるとき、医師による健康診断を行う義務があります。労働者が3か月以内に受けた健康診断の結果を証明する書面を提出する場合は、雇い入れ時の健康診断を省略することができます。
・雇用保険被保険者証
雇用保険資格取得手続きに利用します。加入履歴があれば、パート・アルバイトなどでも雇用保険番号は付与されています。加入していたが番号が不明な場合、履歴書の職歴等を参考にハローワークで検索します。初めて雇用保険に加入する場合には、新たな番号の被保険者証が発行されます。
・源泉徴収票
前職があり、入社した年の1月以降の収入がある場合に提出してもらいます。年末調整に必要となります。
◆会社が用意して従業員に提出いただくもの
・扶養控除等申告書
税金の被扶養者の確認に利用します。社会保険の扶養の参考にも利用します。扶養者の有無にかかわらず必要となります。
労働基準法第15条第1項には、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」と規定されています。明示すべき事項は、以下の通りです。
(1)労働契約の期間
(2)期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準
(更新することがある契約の時)
(3)就業の場所および従業すべき業務
(4)始業及び就業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働 者を2組以上に分けて就業させる場合における就業時点転換
(5)賃金(退職手当等を除く)の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払いの時期並びに昇給
(6)退職(解雇の事由を含む)
(7)退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び退職手当の支払いの方法並びに支払いの時期
(8)臨時に支払われる賃金(退職手当を除く)、賞与その他これに準ずるもの並びに最低賃金額
(9)労働者に負担させるべき食費、作業用品等
(10)安全及び衛生
(11)職業訓練
(12)災害補償及び業務外の傷病扶助
(13)表彰及び制裁
(14)休職
この内(1)から(6)については書面の交付により明示が必要。((5)の昇給に関する事項を除く)以上の内容を記載したものが労働条件通知書で、雇用主が署名または記名押印し、従業員に交付するものです。内容はほぼ一緒ですが雇用契約書もあります。雇用契約書は雇用主と従業員が署名または記名押印し、双方が1部ずつ保管するものです。認識相違によるトラブル防止、合意確認のため、可能であれば雇用契約書を交わしておく方がよいと思います。
あわせて、社会保険、雇用保険加入の手続きもお忘れのないようお願いします。
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加古川・姫路の社会保険労務士は山本社会保険労務士事務
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