平成25年4月1日より改正された労働契約法第18条による規定により、有期労働契約を更新して5年を超えたときは、労働者からの申し込みにより、期間の定めのない労働契約に転換できるルールです。
法律が施行されてからの有期労働契約が対象となります。従って、有期契約を更新しながら継続的に雇用している場合は、すでに5年を超える可能性がある労働者が存在することになります。
法律には「期間の定めのない労働契約を申込したときは、使用者は承諾したものとみなす」と規定されており、無期契約への転換を申し込まれたときは、会社は拒否できないことになっています。
自社の社員について、無期転換権がいつ発生するか、また申し込まれたときの対応策について考えておく必要があります。
■無期転換申込権の成立の要件
無期転換申込権とは
“通算の有期労働契約期間が5年を超える”労働者が“6年目に入る有期契約を結んだ日から”“その労働契約の満了の翌日から始まる”“期間の定めのない労働契約に転換する申込権”が労働者に発生します。さらに申込に対して“使用者は無期雇用を承諾したものとみなす”とされており、会社の諾否にかかわらず自動的に無期契約に転換することになります。
【1年更新の場合】
【2年更新の場合】
決して5年の時間の経過が申込権の発生の要件ではないことをご注意ください。5年を超える(6年目に突入する)労働契約を締結した時点から申込権が発生します。
■無期転換権の行使について
無期転換権について、行使するかしないか、いつ行使するかは労働者の自由となっており、無期転換権が発生してからはいつでも行使することができます。また、無期転換を希望しない労働者については、権利を放棄することも可能であるとされています。
では、会社が申し込まれた無期転換を認めないことはできるでしょうか?無期転換を申し込まれた時点で、新たな労働契約が成立していることになるので、拒否できないことになります。従いまして会社ができるのは、すでに成立した労働契約を解約する=解雇 が必要となり、そのハードルは高いものとなります。
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加古川・姫路の社会保険労務士は山本社会保険労務士事務所
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