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加古川・姫路の山本社会保険労務士事務所ブログ

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雇止め・解雇・退職について<1/2回>-加古川・姫路の社会保険労務士事務所-
11月に入りました。11月は異称で「霜月」ですが、霜が降りる月、霜降月が語源というのが有力だそうです。他にも <神が帰ってくる月>で「神帰月(かみきづき)」という異称もあるそうです。
今回、次回と退職や解雇について、特に「有期労働契約についての雇止め」と「退職勧奨」について記載してまいります。


有期労働契約の雇止めについて
有期労働契約とは、期間を定めて締結された労働契約のことをいいます。例えば、6か月契約、1年契約などです。
一定期間の決まった建設工事など、はっきりした期間の有期契約などを除き、契約期間中の退職や、更新など労使間でトラブルになる可能性があります。そのため有期労働契約の「締結」「更新」「雇止め」に関する基準を押さえておくことが大切です。


■締結
有期労働契約を締結する場合の1回の契約期間の長さは、原則3年が上限です。(労働基準法第14条)
 また、更新上限の有無(更新回数の上限または通算契約期間)が労働条件の明示事項として必要になっています。
さらに労働基準法で規定している雇い入れ時の労働条件の明示事項に加えて、「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」「相談窓口」の4つの事項を文書などにより交付する必要があります。更新時も同様です。


厚生労働省 パンフレット「パートタイム・有期雇用労働法のあらまし」より抜粋・転載
https://www.mhlw.go.jp/content/001567635.pdf



■更新
契約の更新をする場合は締結時と同様に労働条件の明示が必要です。また更新回数や通算契約期間の上限を新たに設ける場合は、新たに設ける、または短縮する理由を更新前に説明しなければなりません。また、有期労働契約を反復更新する場合として、同一の使用者との間で、更新等により通算契約期間が5年を超えた場合は、労働者の申し込みにより、無期労働契約へ転換できます。(労働契約法第18条)


厚生労働省 パンフレット「パートタイム・有期雇用労働法のあらまし」より抜粋・転載
https://www.mhlw.go.jp/content/001567635.pdf


■雇止め
有期労働契約については、やむを得ない事由がなければ、契約期間が満了するまで、労働契約を解除することができません。これは使用者も原則労働者もです。(労働契約法第17条)
また、有期労働契約は契約期間の満了によって終了するものですが、一定の場合には雇止めを認めず、契約が更新されたものとみなすことがあります。(労働契約法19条)
内容としては
有期労働契約が反復更新されたことで無期契約と実質的に変わらない状態と判断される場合
東芝柳町工場事件(昭和49年最高裁第一小法廷判決)
有期労働契約の期間満了後も雇用関係が継続されるものと期待することに合理性が認められる場合
日立メディコ事件 (昭和61年12月4日最高裁第一小法廷判決)
には、解雇に関する法理を類推すべきとなります。(労働契約法第16条)
そうなると、更新しないことが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、雇止めは権利濫用として無効となり、その相当性の証明も事業所が立証することとなりますので注意が必要です。
今回は有期労働契約についてのトラブルになる可能性を踏まえて、「締結」「更新」「雇止め」に関するポイントを確認しました。
実情により判断すべきことですので、実際にご不明な点があればお気軽にご相談ください。

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