いわゆる「年収の壁」の解消に向けて、パート・アルバイトで働く方の年収が一定水準を超えても、手取り収入が減らない、もしくは、引き続き配偶者の扶養に入ることができるなどの対策「年収の壁・支援強化パッケージ」が今年10月から実施されています。
「人手不足で仕事はあるのに、パート従業員が、年金・健康保険の保険料支払いのことを考えて、働く時間を調整している。」「最低賃金の上昇により、さらに労働時間が短くなった。」このような悩みを持っている事業所は多いのではないでしょうか?
2022年9月の調査では、パートタイム・アルバイトとして働く全国の20歳から69歳の女性のうち、61.9%が「就業時間や日数を調整している」と回答しており、59.4%が「時給の上昇により以前より就業調整をせざるを得なくなったと感じた経験がある」と回答しています。
以下、「年収の壁」・「パッケージ」の内容や、変更点・注意すべきことについて記載します。
【「年収の壁」とは】
厚生年金保険及び健康保険において、会社員の配偶者等で一定の収入がない方は、被扶養者(第3号被保険者)として、社会保険料の負担が発生しません。
こうした方の収入が増加して一定の収入を超えると、社会保険料の負担が発生し、その分手取り収入が減少するため、これを回避する目的で就業調整する方がいます。その収入基準(年収換算106 万円や 130 万円)がいわゆる「年収の壁」と呼ばれています。
・従業員100人超の企業に勤務する場合:106万円
※「従業員100人超企業に週20時間以上で勤務する場合」は、所定内賃金が
月額8.8万円以上(年収約106万円)になると厚生年金保険等に加入。
・従業員100人以下の企業に勤務する場合:130万円
※「従業員100人以下の企業に勤務する場合」は、所定労働時間および
所定労働日がフルタイムの4分の3以上になると厚生年金保険等に加入、
所定労働時間および所定労働日が4分の3未満で年収130万円以上
の場合は国民年金・国民健康保険に加入。
※「従業員100人超」は令和6年10月以降は50人超になります。
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